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小児矯正

小児矯正とは

小児矯正とは
小児矯正とは、永久歯が生え揃う前や生え揃ったばかりの子どもの成長期に行う矯正治療です。
小児矯正ではおもに顎の骨や歯の成長をコントロールし、歯がきれいに生えるためのスペースを作り、歯並びを乱す悪い癖の改善をします。歯並びやかみ合わせは骨格などの生まれつきの要因だけでなく、舌の動かし方の癖や頬杖、指しゃぶりや口呼吸などの外的要因によっても不正咬合を引き起こす場合があります。乳歯から永久歯が生え揃うタイミングの小児矯正は、骨の成長を利用した治療が可能なので歯を正しい位置に誘導しやすく、より効率的に歯並びやかみ合わせを整えることができます。

小児矯正の適切なタイミング

お子さまの骨格や成長は一人ひとり異なりますので、お子さまの口元の見た目や癖、話し方や食べ方などで気になることがありましたら、当院に一度ご相談ください。お子さまの歯並びやかみ合わせをきれいに整えるためには、口腔内や骨格の状態、成長に合った最適なタイミングで治療を始めることが大切です。
小児の矯正治療を始めるタイミングは以下のように、3つの時期に分けられます。

第0期治療:3歳〜5歳頃

歯並びを整える矯正治療ではなく、顎の成長を促す治療や、歯並びやかみ合わせに影響を及ぼす悪い癖の改善を行います。指しゃぶりや口呼吸、舌癖、頬杖などの習慣は顎の成長や歯並びに悪影響を及ぼします。悪い癖を早い時期に改善し、咀嚼や発音が正しく行えるように歯並びとかみ合わせを整えます。また、受け口や交叉咬合など顎の変形が強い場合は、早い時期から矯正治療を進める必要があります。

第1期治療:6歳〜12歳頃

永久歯が生え揃うまでの成長を利用して、顎の骨を拡大させ、きれいに歯が生えるためのスペースを確保します。
また顎の成長や歯並びに悪い影響を及ぼす癖の改善と、お口まわりの筋機能の改善や舌の位置の改善を行います。第1期治療によって永久歯が正しく生えるためのスペースをきちんと確保できていると、第2期治療が必要になった際に、抜歯せずに矯正治療が行える可能性が高まります。

第2期治療:12歳前後以降

永久歯が生え揃っているので、大人の矯正治療と同じく、歯を動かし美しい見た目や正しいかみ合わせに整えます。成人以降よりも中高生の頃の方が顎の骨の代謝が活発で、歯をスムーズに動かしやすいです。

小児矯正で使用する装置

マイオブレース

マイオブレース
マイオブレースとは着脱可能なマウスピース型の矯正器具です。睡眠時と家にいる時のみ装着し、学校につけていく必要はありません。歯が正しい位置に生え揃うように顎の成長をコントロールし、お口まわりの筋機能を改善することで、正しい咬合状態へ導きます。また、マイオブレースをつけることで自然と舌を正しい位置に誘導します。

プレオルソ

プレオルソ
プレオルソとは着脱可能なマウスピース型の矯正器具です。プレオルソによってお口周りの筋機能のバランスを整え、口呼吸や舌癖などの歯並びを悪くしている原因を取り除きます。
プレオルソは柔らかい素材でできているため装着時の痛みもほとんどなく、歯科医師が形を調整することで、歯の角度や顎の成長をコントロールすることができます。

拡大床

拡大床拡大床とは、歯列を外側に広げ、永久歯が正しく並ぶスペースを作るための矯正装置です。
1日12〜15時間ほどの着用は必要ですが、食事や歯磨きの時には外すことができるので、お子さまの心身にかかる負担は最小限に抑えることができます。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる器具を装着し、ブラケットにワイヤーを通すことで歯に力を加え、歯並びを整える矯正方法です。
ワイヤー矯正は幅広く多くの症例に適応可能です。
従来のワイヤー矯正は目立ちやすいというデメリットがありましたが、近年は白いブラケットやホワイトワイヤーなどを使用した目立ちにくいワイヤー矯正も行うことができます。

幼児から矯正が必要な歯並び

お子さまの矯正治療は6歳前後から始めることが多いですが、3歳児健診や保育園・幼稚園の歯科健診で不正咬合と指摘された場合や、親御さまから見て気になる歯並びがありましたら、早めに歯科医師にご相談ください。
不正咬合の中でも、「交叉咬合(クロスバイト)」「受け口(反対咬合)」「指しゃぶりによる開咬・上顎前突」の3つは早期治療が必要なケースが多くあります。
お子さまの小さなお口の中は健診でもしっかり見ることが難しい場合もありますので、お子さまの歯並びやかみ合わせをご家庭でこまめにチェックしておくと安心です。

交叉咬合(クロスバイト)

交叉咬合(クロスバイト)
奥歯のかみ合わせが悪く、上の歯と下の歯の前後の出方が一部逆になってしまっている歯並びを交叉咬合といいます。交差咬合は顎の正しい成長を妨げ、顎変形症へ進行する可能性があるので、3歳以降であれば早期治療が必要です。

受け口 (反対咬合)

受け口 (反対咬合)
受け口(反対咬合)とは下顎が上顎よりも前に出ている歯並びのことで、遺伝的要因や下顎の過成長などによって生じます。反対咬合を治療しないままだと発音や咀嚼に影響を及ぼしたり、顎変形症へと進行したりする可能性が高いため、症状が重い場合や遺伝性のあるお子さまは早期治療が必要です。

指しゃぶりによる開咬・上顎前突

指しゃぶりによる開咬・上顎前突
上下の前歯が噛み合わず隙間ができてしまう歯並びを開咬、上の歯が前方に突き出た歯並びを上顎前突といいます。
3歳以降も指しゃぶりがやめられず開咬や上顎前突が生じている場合は、早期治療をすることが望ましいです。指しゃぶりをやめれば自然と改善することもありますが、放置すると骨格性の開咬・上顎前突になってしまい、将来的に外科手術が必要になってしまうケースもあります。

小児矯正のメリット

美しい顔立ちへと導く

小児矯正で歯並びや舌癖、口呼吸などを改善することで、顎の成長を正しく導き顔のバランスを整えることができます。
将来、抜歯を伴う矯正治療が必要になるケースでも、小児矯正を行なっていると抜歯を回避できる可能性が高まります。

学習能力と身体能力・免疫力の向上

小児矯正によって、かみ合わせや悪習癖を改善することは学習能力の向上と身体能力の向上につながります。口呼吸だと集中力が欠如しやすい・外気のウイルスなどがダイレクトに入ってくるので、病気に感染しやすい・アレルギー症状を起こしやすいなどさまざまなデメリットがあります。
また、かみ合わせが整っているとしっかり力を入れることができるため踏ん張りもきき、運動能力の向上にもつながります。

滑舌・発音がよくなる

正しい歯列に整え、舌癖および低位舌の改善をすることで発音がしやすく、滑舌も良くなります。

コンプレックスの解消

出っ歯や受け口、叢生などの乱れた歯並びがコンプレックスとなり、口元を手で隠したり、人前で話すことに苦手意識が生じたり、笑顔を控えるようになってしまうことがあります。 口元のコンプレックスがあると人に与える印象にも影響を及ぼします。
小児矯正で歯並びを整えることは、コンプレックスの解消と健全な精神発達を促すことにもつながります。

永久歯での矯正期間を短縮できる

小児矯正で顎の成長をコントロ-ルすることで、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保でき、歯列を整えやすくなります。
その結果、大人になってからの矯正治療が不要になる可能性や、矯正治療が必要な場合でも抜歯を回避できる可能性が高まります。