インプラントの麻酔方法・種類は2つ!静脈内鎮静法・局所麻酔の特徴や費用を紹介
インプラント治療には、麻酔が欠かせません。
麻酔には、局所麻酔と静脈内鎮静法の2つがあります。費用は局所麻酔が0〜数千円、静脈内鎮静法が5〜10万円です。
「麻酔に選択肢があるなんて知らなかった」と驚きの方もいらっしゃるでしょう。
今回は、インプラント治療における麻酔方法・種類やかかる費用、おすすめの選択肢などについてまとめました。
インプラント治療を得意とする歯科医の目線から、本音で解説をします。
記事を最後までチェックすれば、インプラント治療における麻酔についてひと通り理解できます。
【前提】インプラント治療で「麻酔なし」はありえない
インプラント治療では、抜歯をした後に、顎骨に人工歯根を埋め込みます。インプラントは外科手術を伴う治療なので、「麻酔なし」での治療はありえません。
口内以外の外科手術でも麻酔を使うのと同じです。
通常の虫歯治療では、程度によっては麻酔を使用しないケースもあるでしょう。しかしインプラントで麻酔をしないと、痛みで治療どころではなくなります。
虫歯は、以下の段階に分けられます。
- C0:初期の虫歯
- C1:エナメル質の虫歯
- C2:象牙質の虫歯
- C3:神経まで達した虫歯
- C4:歯根まで達した虫歯
C1までの小さな虫歯であれば、麻酔なしでの治療も珍しくありません。
インプラント治療は、一般的にC3以上の虫歯に対して行われる治療法です。そのためインプラント治療では必ず麻酔を使用します。
インプラントでの麻酔方法・種類は全2つ
インプラントで使用される麻酔には、以下2つの種類があります。
- 局所麻酔
- 静脈内鎮静法
それぞれ詳しく見てみましょう。
局所麻酔
局所麻酔は、歯科治療において最も一般的な麻酔方法です。歯医者で「麻酔」と言う際は、局所麻酔のことを指すと考えておいて良いでしょう。
局所麻酔では、治療部位近くの歯茎に麻酔薬を注射します。麻酔が効くと、その部分の感覚がなくなります。
歯を削ったり抜歯をしたりしても、痛みをまったく感じません。かろうじて何かが当たっていると分かるくらいです。
歯科医の腕にもよりますが、注射自体もそれほど痛くありません。
「局所」麻酔なので、それ以外の箇所の感覚ははっきりとあります。口内の一部に麻酔が効いているので普段どおりとは行きませんが、歯科医と会話もできます。
局所麻酔のメリットは、安全性が高く、回復までの時間が早い点です。治療後1時間もすれば、麻酔によって痺れる感覚はなくなります。
静脈内鎮静法
静脈内鎮静法は、点滴によって鎮静剤や麻酔薬を投与する方法です。
静脈内鎮静法を行うと、患者は眠っているような感覚になり、健忘効果もあります。つまり治療への恐怖がなくなります。
局所麻酔では、痛みこそなくなりますが、意識はそのままです。静脈内鎮静法は「意識が鮮明な状態で治療をされるのが怖い」という方におすすめの選択肢です。
静脈内鎮静法に鎮痛作用はありません。そのため局所麻酔と併用する形で使用されます。
静脈内鎮静による麻酔が効いてきた段階で局所麻酔を行います。よって注射の恐怖も感じません。
静脈内鎮静法は、治療が怖くて長い間歯医者に行けていなかった人が、一歩を踏みだすきっかけとしてもおすすめです。
なお心臓に疾患がある方・妊娠中の方・授乳中の方は、静脈内鎮静法を選択できません。
関連記事:歯がボロボロすぎて歯医者に行けない人必見!5つの原因と放置の危険性を解説
インプラントで全身麻酔をすることは原則ない
「全身麻酔をすれば痛みも恐怖もなくなるのでは?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、インプラント治療で全身麻酔を使用することは、原則ありません(子ども・障がい者・極度の歯科恐怖症の方を除く)。全身麻酔は、開腹手術や開頭手術など、規模の大きな外科手術で使用される麻酔方法です。
全身麻酔には「麻酔が効いている間は自発呼吸ができない(人工呼吸器が必要)」「回復までに時間がかかる」といったリスクもあります。
インプラント治療では、顎骨に人工歯根を埋め込んだりしますが、決して大規模な外科手術というわけではありません。
インプラント治療で選択できる麻酔方法は、局所麻酔と静脈内鎮静法の2つです。
静脈内鎮静法では、全身麻酔のように意識がなくなることはありません。しかし「眠っているようなウトウトした状態」で治療ができます。
インプラント治療で麻酔にかかる費用
インプラント治療で麻酔にかかる費用を、局所麻酔と静脈内鎮静法に分けて紹介します。
局所麻酔
歯科治療には、保険適用と自由診療があります。
保険治療では、国に定められた費用のうち3割を患者様が負担します。自由診療では、10割すべてを患者様が負担しなければなりません。
インプラント治療における局所麻酔は、インプラントの費用に含まれている場合がほとんどです。
そのため局所麻酔のみを使用する場合は、治療費や保険適用か自由診療かについて気にする必要はありません。
同一治療内で保険適用と自由診療の併用はできません。そのため厳密には、自由診療であるインプラント治療のなかで行われる局所麻酔も同じく自由診療となります。
関連記事:歯がボロボロでも保険治療はできる!具体的な選択肢や費用、お金がない場合の対処法を紹介
静脈内鎮静法
静脈内鎮静法にも、保険適用と自由診療があります。自由診療の場合、全額を患者様が負担しなければなりません。
インプラントは原則として自由診療です。そして同一治療内で、保険適用と自由診療の併用はできません。
そのためインプラント治療における静脈内鎮静法は、自由診療となります。
保険診療と保険外診療の併用は原則として禁止しており、全体について、自由診療として整理される。
出典:厚生労働省 保険診療と保険外診療の併用について
静脈内鎮静法を自由診療で行う場合に患者様にご負担いただく費用は、5〜10万円ほどです。
関連記事:歯がボロボロだと治療費はいくらに?お金がない場合の対処法も紹介
インプラント治療の麻酔に関するよくある質問
インプラント治療の麻酔に関する、以下3つのよくある質問にお答えします。
- 麻酔が効くまでの時間は?
- 麻酔はいつ切れる?
- 局所麻酔は痛い?
1つずつ詳しく見てみましょう。
麻酔が効くまでの時間は?
局所麻酔の場合、注射をして5〜10分で効果があらわれます。
痛みを感じないように、注射は1箇所のみならず複数箇所に行うのが一般的です。
麻酔が効いているかを確認した上で治療を始めるので、心配は不要です。治療中にも「麻酔はきちんと効いていますか?」と数十分おきに確認が入ります。
静脈内鎮静法では、点滴を開始して1〜3分で意識がぼんやりとし始めます。
麻酔はいつ切れる?
麻酔の持続時間は、体質や麻酔の量によって変わります。
局所麻酔の場合、一般的には治療後1〜3時間後に麻酔が切れるように調整されます。治療後も患部付近に痺れが残っているものの、問題なく行動可能です。そのため、治療後すぐに帰宅できます。
静脈内鎮静法の効果が完全に切れるまでには、2時間ほどかかります。それまでは、眠気やふらつきが残るでしょう。よって、静脈内鎮静法の場合は、歯科医から帰宅許可が出るまで待たなければなりません。また、当日の運転も禁止されます。
局所麻酔は痛い?
局所麻酔では、歯茎に注射針を刺します。採血やインフルエンザの予防接種などをイメージして、痛そうだと感じる方も多いでしょう。
局所麻酔では、細い針を使用します。そのため注射時の痛みは最小限に抑えられます。
以下に、注射針の太さの目安をまとめました。
- 局所麻酔:31〜33G(外径0.26〜0.28mm)
- 採血:21〜23G(外径0.7〜0.8mm)
- 献血:17〜18G(外径1.2〜1.4mm)
局所麻酔では、採血や献血で使用する針より何倍も細いものを使用します。
「ちくっ」と感じることもありますが、それすら感じない場合もあるほどです。
それでも局所麻酔の痛みが怖い場合には、静脈内鎮静法がおすすめです。
インプラント治療は「局所麻酔×静脈内鎮静法」がおすすめ
インプラント治療における麻酔方法として、以下2つを紹介しました。
- 局所麻酔
- 静脈内鎮静法
おすすめは、局所麻酔と静脈内鎮静法の併用です。治療中の痛みだけでなく、精神的な不安やストレスまで軽減できます。
特にインプラントを同時に複数本埋め込む場合など、手術が長時間に及ぶ場合には、局所麻酔と静脈内鎮静法の併用をおすすめします。
恐怖心から治療に踏み切れなかった方が、一歩踏みだすきっかけになるかもしれません。
しかし、インプラント治療時の静脈内鎮静法は、自由診療となります。
5〜10万円の費用がかかるため、予算と相談しながら、局所麻酔と静脈内鎮静法を併用するか否かを決めなければなりません。
「局所麻酔のみ」でもインプラント治療は受けられる
もちろんインプラント治療は、局所麻酔のみでも受けられます。
局所麻酔だけでも、治療時の痛みに関しては問題ありません。むしろ治療費などの観点から、局所麻酔だけで治療を受ける方が過半数を占めます。
治療費を少しでも抑えたい場合や、それほど治療に対して恐怖を感じない場合には、局所麻酔だけでインプラント治療を受けましょう。
インプラント治療はトラストデンタルクリニックにお任せください
トラストデンタルクリニックは、東京都港区浜松町の歯科医院です。当院では、インプラント治療に関するさまざまな選択肢を用意しています。
麻酔に関しては、局所麻酔に加えて静脈内鎮静法にも対応しています。費用は税込で66,000円です。
局所麻酔の前に表面麻酔を行うことも可能です。表面麻酔を塗ることで、注射針が刺さる際の感覚を感じにくくします。
また麻酔液をゆっくりと一定の速度で注入して圧による痛みを軽減したり、麻酔液を温めて体温との温度差による痛みを和らげたりしています。
当院の強みは、サージカルガイドを使用した、メスを使わない低侵襲インプラント治療です。
低侵襲インプラント治療によって術後の痛み・腫れは軽減されます。手術時間も短縮され、20分で終わるケースも珍しくありません。
▲当院でのインプラント治療例
当院では、急に治療を始めることはありません。治療方法・治療期間・治療費・治療の痛みなどについて説明をして、ご納得いただいた上で治療を行います。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。
まとめ
インプラント治療における麻酔方法・種類やかかる費用、おすすめの選択肢などについて解説しました。
インプラント治療において、局所麻酔は必須です。あとは静脈内鎮静法まで行うかどうかです。
予算や治療への恐怖を考慮しながら、どのようにするかを決めましょう。決められない場合は、歯医者に相談してみるのも選択肢の1つです。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。