差し歯とインプラントの違いは3つ!寿命や値段といった観点からどっちが良いか解説
差し歯とインプラントの主な違いは、以下の3つです。
差し歯 |
インプラント |
|
歯根の有無 |
自分の歯根が必要 |
人工歯根を埋入 |
保険適用か自由診療か |
選択可能 |
自由診療のみ |
審美性 |
低い |
高い |
とにかく綺麗な歯を手に入れたい方にはインプラントが、審美性は多少低くても費用を抑えたい方には差し歯がおすすめです。
「複数の治療法があり、どれが向いているか分からない」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
今回は差し歯とインプラントの違いやどちらが向いているのか、クラウン・ブリッジ・入れ歯との違いなどについてまとめました。
差し歯治療もインプラント治療も行っている歯科医の目線から、本音で解説をします。
記事を最後までチェックすれば、あなたにぴったりな治療法が分かります。
差し歯とインプラントの違い
差し歯とインプラントの違いについて、以下3つの観点から解説します。
- 歯根の有無の違い
- 保険適用か自由診療かの違い
- 審美性の違い
それぞれ詳しく見てみましょう。
歯根の有無の違い
差し歯 |
インプラント |
|
歯根の有無 |
自分の歯根が必要 |
人工歯根を埋入 |
差し歯は、歯根に土台を作り、その土台に人工の歯を差す治療法です。そのため、歯根が残っていなければ選択できません。
虫歯は、以下の順序で進行していきます。
- C0:初期の虫歯
- C1:エナメル質の虫歯
- C2:象牙質の虫歯
- C3:神経まで達した虫歯
- C4:歯根まで達した虫歯
虫歯がC3まで達し、神経を失った場合に選択される治療法が差し歯です。
一方インプラントは、顎骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。虫歯がC4まで達し、歯根を失った場合でも選択できます。
インプラントでは、抜歯や人工歯根を埋め込むための外科手術が必要です。手術回数は、抜歯即時埋入か抜歯待時埋入かによって異なります。
詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事:インプラントの抜歯即時埋入とは?メリット・デメリットや費用について解説
保険適用か自由診療かの違い
差し歯 |
インプラント |
|
保険適用か自由診療か |
選択可能 |
自由診療のみ |
保険適用では、国によって定められた診療報酬のうち3割を患者様が負担します。自由診療では、各歯医者が決めた診療報酬を10割(全額)、患者様が負担します。
歯医者で保険が適用されるのは、機能回復のための最低限の治療です。
高い審美性や機能性のある治療は「機能回復のための最低限の治療」に当てはまらないので、自由診療となります。
差し歯の場合、保険適用か自由診療かを選択可能です。
保険適用での治療費は3,000〜8,000円ほど、自由診療での治療費は66,000〜275,000円ほどです。
一方インプラントは、自由診療のみとなっています。治療費は400,000〜700,000円です。
関連記事:歯がボロボロでも保険治療はできる!具体的な選択肢や費用、お金がない場合の対処法を紹介
関連記事:歯がボロボロだと治療費はいくらに?お金がない場合の対処法も紹介
審美性の違い
差し歯 |
インプラント |
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審美性 |
低い |
高い |
差し歯もインプラントも、自由診療の場合はセラミックやジルコニアといった、ほとんど天然歯と見分けがつかない素材を使用します。
一方、保険適用の差し歯では、前から数えて6番目以降の歯には銀歯を使用します。そのため口を開けると銀色が見えてしまい、審美性が高いとは言えません。
また前から数えて5番目までの歯には、CAD/CAM冠という、セラミックとプラスチックを合わせた素材を使用します。
色は白いので目立ちませんが、強度面で問題があります。せんべいや乾パンなど硬いものを食べると、割れてしまうかもしれません。
そしていくら白いと言っても、セラミックやジルコニアほど天然歯に近いわけではありません。
差し歯とインプラントはどっちが良い?
差し歯にもインプラントにも、それぞれメリット・デメリットがあります。ここでは、差し歯とインプラント、どちらが良いのかについて解説します。
差し歯の方が向いている人
以下に当てはまる方には、インプラントよりも差し歯の方がおすすめです。
- 治療費を抑えたい人
- 外科手術を受けたくない人
差し歯の場合、保険適用だと治療費は数千円で済みます。一方インプラントの場合、どんなに安くても治療費は400,000円以上かかります。
両者の治療費の差が100倍を超えるケースも珍しくありません。
またインプラントでは抜歯と人工歯根の埋入のために外科手術が必要です。もちろん麻酔をするので痛みはありませんが、手術では歯肉を切開します。
一方差し歯では、抜歯も人工歯根の埋入もないので、外科手術を必要としません。
関連記事:インプラントの麻酔方法・種類は2つ!静脈内鎮静法・局所麻酔の特徴や費用を紹介
インプラントの方が向いている人
以下に当てはまる方には、差し歯よりもインプラントの方がおすすめです。
- 歯根がない、または機能していない人
- 綺麗な歯を手に入れたい人
- 何も気にせず食事を楽しみたい人
歯根がない場合、そもそも差し歯の選択はできません。インプラント・入れ歯・ブリッジのなかから治療法を選択することとなります。
またインプラントであれば、前歯か奥歯かを問わず、白くて綺麗な歯を手に入れられます。
差し歯の保険治療で使用できるCAD/CAM冠は、審美性に優れるものの耐久性に欠けるとお伝えしました。
インプラントであれば、硬いものや粘り気のあるものを食べる際に、何も気にする必要がありません。
関連記事:歯がボロボロすぎて歯医者に行けない人必見!5つの原因と放置の危険性を解説
関連記事:【歯科医が教える】インプラントのリスク6つ!副作用についても解説
差し歯を選択する際に気をつけておくべきこと
インプラントではなく差し歯を選択する場合には、以下3つの点に気をつけましょう。
- 歯の根っこ(歯根)がないと差し歯は選択できない
- 前歯を差し歯にして後悔する人もいる
- 差し歯には寿命がある
1つずつ詳しく解説します。
歯の根っこ(歯根)がないと差し歯は選択できない
歯の治療法は複数存在します。虫歯の進行度合いによって、選択できる治療法が異なります。
差し歯は、歯根が残っていないと選択できない治療法です。
そのため自身の歯の状態が分からない方は、歯医者に行って確認をするところから始めなければなりません。
万が一、歯根が残っていない場合は、インプラント・入れ歯・ブリッジの治療法しか選択できません。
関連記事:歯がボロボロな方の治療法は4つ!内容や治療費、お金がない場合の対処法を紹介
関連記事:歯がボロボロすぎて歯医者に行けない人必見!5つの原因と放置の危険性を解説
前歯を差し歯にして後悔する人もいる
前歯は、歯のなかで最も他人に見られやすい部分です。そのため、特に審美性の面で、治療後に後悔する方がいます。
例えば保険適用でCAD/CAM冠を使用する場合、いくら白いとはいえ、天然歯との違いはあります。
奥歯だと気にならなくても、前歯だとこういったわずかな違いが気になってしまうでしょう。
また、CAD/CAM冠は耐久性が低いとお伝えしました。
前歯を差し歯にして「いつか折れてしまったらどうしよう」と心配しながら生活を送っている方もいます。
一方耐久性が高いインプラントであれば「折れるかもしれない」といった心配は不要です。
差し歯には寿命がある
差し歯の寿命は、保険適用の場合が7〜10年、自由診療の場合が10〜20年とされています。
差し歯のみならず、他の治療法にも寿命があります。治療から一定期間が経過すると、取替えやメンテナンスが必要です。
インプラントの寿命は、一般的に10〜15年とされています。日々の手入れをきちんと行っていれば、20年以上保ちます。40年以上機能し続けた例もあるほどです。
どのような治療法であれ「一生使える保証はない」ということは頭に入れておきましょう。
差し歯とクラウン・ブリッジ・入れ歯の違いは?
ここまで、差し歯とインプラントの違いについて解説しました。
最後に、差し歯とクラウン・ブリッジ・入れ歯の違いについても簡単に解説します。
差し歯とクラウンの違い
クラウンは「王冠」という意味の英語です。歯科治療では「被せ物」と同義です。
差し歯は、歯根に人工歯を取り付ける治療法を指します。一方クラウンは歯根のみならず、歯の一部が虫歯などで損傷している場合にも使用されます。
例えば軽度の虫歯で削った歯の外側に、キャップ状の被せ物を装着するといった形です。差し歯の方が、虫歯が重度な場合に選択されるイメージです。
クラウン(被せ物)には、保険適用と自由診療の選択肢があります。
保険適用では、銀歯が10,000円程度、白い被せ物(コンポジットレジンなど)が15,000円程度です。
保険適用の白い被せ物は、差し歯と同じように耐久性が高くありません。
自由診療ではセラミックを使用します。治療費は80,000〜180,000円です。
差し歯とブリッジの違い
ブリッジは、虫歯や外的な衝撃などの理由で欠損した歯を補うための治療法です。両隣の歯を支えとして、まるで橋を架けるように歯を補うことから「ブリッジ」と言います。
差し歯は1本で独立していますが、ブリッジには両隣に丈夫な歯が必要である点が、両者の違いです。
ブリッジにも差し歯と同じく歯根が必要です。また保険適用と自由診療の選択肢があります。
ブリッジの治療にかかる費用は、保険適用が30,000〜45,000円、自由診療が240,000〜540,000円となっています。
差し歯と入れ歯の違い
入れ歯は差し歯と異なり、着脱が可能です。毎日寝る前に入れ歯を外して、洗浄しなければなりません。
そのため1日数時間は、歯がない状態で過ごすこととなります。
入れ歯は着脱が可能で、差し歯やインプラントなどの治療法のように、顎骨に固定する必要がありません。
そのため歯根が残っていなくても選択できる治療法です。
入れ歯の種類は、総入れ歯と部分入れ歯の2つです。差し歯と同じように、1本だけの部分入れ歯も存在します。
入れ歯にも、保険適用と自由診療の選択肢があります。
部分入れ歯の治療費は、保険適用の場合が20,000円程度、自由診療の場合が100,000〜400,000円程度です。
インプラント治療ならトラストデンタルクリニックにお任せ
トラストデンタルクリニックは、東京都港区浜松町の歯科医院です。インプラント治療を始めとする、さまざまな選択肢をご用意しています。
「インプラントとブリッジ」のように複数の治療法を組み合わせて、費用を抑えることも可能です。
▼当院における前歯4本の治療事例(インプラント2本・ブリッジ2本、治療期間6ヶ月、治療費132万円)

Before

After
当院の強みは、サージカルガイドを使用した、メスを使わない低侵襲インプラント治療です。
低侵襲インプラント治療によって術後の痛み・腫れは軽減されます。手術時間も短縮され、20分で終わるケースも珍しくありません。
また治療時の麻酔についても、複数の選択肢をご用意しています。眠っているような感覚で治療が受けられる静脈内鎮静法や、局所麻酔の前に行う表面麻酔も選択可能です。
当院では、急に治療を始めることはありません。治療方法・治療期間・治療費・治療の痛みなどについて説明をして、ご納得いただいた上で治療を行います。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。
まとめ
差し歯とインプラントの違いやどちらが向いているのか、クラウン・ブリッジ・入れ歯との違いなどについて解説しました。
差し歯とインプラントの主な違いは以下のとおりです。
差し歯 |
インプラント |
|
歯根の有無 |
自分の歯根が必要 |
人工歯根を埋入 |
保険適用か自由診療か |
選択可能 |
自由診療のみ |
審美性 |
低い |
高い |
差し歯にもインプラントにも、それぞれメリット・デメリットがあります。
どちらが向いているか分からない場合には、歯科医に相談してみるのも選択肢の1つです。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。