インプラントにした人の老後が悲惨と言われる5つの理由!メリットや年代別割合も解説
インプラント治療をすると、老後のメンテナンスや再治療が難しくなります。なかには「インプラントにした人の老後は悲惨…」といった声もあるほどです。
たしかにインプラント治療には老後のリスクもあります。しかしコンプレックスを感じずに済んだり、いくつになっても食事を楽しめたり、メリットの方が大きいのが実情です。
今回は、インプラントにした人の老後が悲惨と言われる5つの理由や、インプラントにした人の老後のメリットなどについてまとめました。
インプラント治療を得意とする歯科医の目線から、本音で解説をします。
記事を最後までチェックすれば、インプラント治療を受けるとどのような老後が待っているのか、はっきりとイメージできます。
インプラントにした人の老後が悲惨と言われる5つの理由
インプラントにした人の老後が悲惨と言われる理由は、以下の5つです。
- インプラント周囲炎のリスクが高まるから
- 病気などが原因でメンテナンスができなくなるから
- インプラントが不安定になるリスクが高まるから
- インプラントにかかる治療費のせいで老後の生活資金がなくなるから
- 再治療の難易度が上がるから
それぞれ詳しく見てみましょう。
インプラント周囲炎のリスクが高まるから
インプラント治療のリスク、副作用の1つに「インプラント周囲炎」があります。
インプラント周囲炎とは?:
インプラント周囲の歯茎や骨が歯周病菌に感染した状態。インプラント版の歯周病。
インプラント周囲炎になると、歯周病と同じように炎症が起き、放置すると顎骨が溶けてしまいます。
インプラント周囲炎を防ぐには、口内に歯周病菌を増やさないことが大切です。
そして高齢になればなるほど、歯周病リスクは上がります(歯周病菌が増えやすくなります)。
以下は、年齢別に見た日本人の歯周病罹患率に関する表です。
年齢 |
歯周病罹患率 |
15-24歳 |
約20% |
25-34歳 |
30% |
35-44歳 |
40% |
45-54歳 |
50% |
55歳以上 |
55〜60% |
加齢による唾液分泌量の減少や糖尿病などの疾患も、インプラント周囲炎へとつながります。
関連記事:糖尿病だと歯がボロボロになるって本当?5つの原因よくある誤解を解説
病気などが原因でメンテナンスができなくなるから
先ほど解説したインプラント周囲炎を防ぐには、歯のメンテナンスが大切です。
歯のメンテナンスとは、日々の丁寧な歯磨きや歯科検診のことです。歯科健診では、歯磨きでは取り除けない歯石を除去したりします(歯石がある=歯周病菌が繁殖しやすい)。
そして年齢を重ねれば重ねるほど、これらのメンテナンスが難しくなります。
例えば要介護・寝たきり・認知症などになると、定期的な歯科検診は難しいでしょう。
また歯磨きの優先順位が落ちたり、丁寧に磨けなくなったりします。
しかしこれは、インプラントに限った話ではありません。インプラント治療をしていない場合でも、高齢になると虫歯になるリスクは上がります。
インプラントが不安定になるリスクが高まるから
インプラントは、顎骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。
インプラント治療では、顎骨の強度が重要です。顎骨の幅や厚さが不十分だと、治療法が限られたり、骨造成手術が必要になったりします。
そして老後になると、骨密度は低下します。そうなると、インプラントが不安定になるリスクが高まるでしょう。
また長年の使用による摩耗や顎骨の自然な吸収も、インプラントの安定性に悪影響を与えます。
インプラントが不安定になると、噛む力が十分に伝わらず、食事に支障をきたします。
関連記事:【歯科医が教える】インプラントのリスク6つ!副作用についても解説
インプラントにかかる治療費のせいで老後の生活資金がなくなるから
インプラントは、すべて自由診療です。保険の適用はありません。治療には、1本あたり400,000〜700,000円の費用がかかります。
「歯を綺麗にしたい」「だけど入れ歯やブリッジは嫌だ」と無理をしてインプラントを選択すると、老後の生活資金がなくなってしまうかもしれません。
費用を理由にインプラント治療に踏み切れない方には、デンタルローンや他治療法との組み合わせがおすすめです。
デンタルローンは、金利年2.5〜8.8%と、キャッシングやカードローンと比べてもお得です。
前歯3本を治療する場合、両端2本だけインプラントにして、真ん中はブリッジにすることで治療費を抑える方法もあります。
関連記事:歯がボロボロだと治療費はいくらに?お金がない場合の対処法も紹介
関連記事:歯がボロボロでも保険治療はできる!具体的な選択肢や費用、お金がない場合の対処法を紹介
再治療の難易度が上がるから
インプラント周囲炎や転倒などを原因にインプラントが不安定になると、再治療が必要になります。
再治療では、通常のインプラント治療と同じように、外科手術が必要です。
しかし年齢を重ねれば重ねるほど、再治療の難易度は上がります。理由は以下のとおりです。
- 高齢になると手術後の回復が遅くなるから
- 細菌感染や合併症などのリスクが上がるから
- 麻酔もリスクになり得るから
また老後にインプラントを除去する場合にも、外科手術が難しくなるリスクがあります。
関連記事:インプラントの麻酔方法・種類は2つ!静脈内鎮静法・局所麻酔の特徴や費用を紹介
インプラントにした人の老後にはメリットもたくさんある
ここまで「インプラントにした人の老後が悲惨と言われる5つの理由」について解説しました。
しかし、必ずしもこれらが起きるとは限りません。むしろインプラントにした人の老後には、以下のようなメリットもあります。
- 着脱の手間がない
- コンプレックスを感じずに済む
- 食事を楽しめる
- 認知症の予防につながる
1つずつ詳しく解説します。
着脱の手間がない
インプラントは、顎骨に人工歯根を直接埋め込む治療法です。そのため一度治療をすると、着脱の必要はありません。
食事中や会話中にずれてしまう心配も不要です。
一方、入れ歯の場合は、毎日着脱をしなければなりません。毎日寝る前に入れ歯を外して、洗浄液に浸けるのは面倒です。
また、インプラントと入れ歯以外の選択肢として、ブリッジがあります。ブリッジもインプラントと同じく、着脱の必要はありません。
しかし両隣の歯が丈夫でなければ、ブリッジの治療法は選択できません。
関連記事:歯がボロボロな方の治療法は4つ!内容や治療費、お金がない場合の対処法を紹介
コンプレックスを感じずに済む
インプラント治療では人工歯根の上に、セラミックなどを装着します。そのため天然歯とほどんと区別がつきません。
よって、老後に自分の歯にコンプレックスを感じることなく、自信を持って生活ができます。
ご年配の方の中には、入れ歯や銀歯、もしくは治療をしていないボロボロの歯が原因で、人前で話したり笑ったりするのが恥ずかしいという方もいらっしゃいます。
「寝る前の入れ歯を外した状態は、家族にも見られたくない」と考える方も少なくありません。
しかしインプラント治療をすると、そういった老後の心配は不要です。安心感や自己肯定感が向上して、楽しい老後を過ごせます。
関連記事:歯がボロボロで歯医者に行くのが恥ずかしい人必見!勇気を出す秘訣と放置するリスク
食事を楽しめる
インプラントは、顎骨に人工歯根を埋め込む治療法です。
そのため噛む力が天然歯とほぼ同等で、硬いものや粘り気のあるものも問題なく食べられます。
一方入れ歯だと、噛む力が制限されます。入れ歯が外れないように、キャラメルや餅のような粘り気の強い食べものは避けなければなりません。
入れ歯や歯がない状態で、よく噛まずに丸呑みをしてしまう方も少なくありません。
また、虫歯が進行していたり、歯が抜けていたりすると、硬いものは食べられません。
「食事は老後の楽しみの1つ」という方も多いでしょう。インプラント治療を受けると、老後の食事を楽しめます。
しっかり噛めるので、消化吸収を助け、健康維持にもつながります。
認知症の予防につながる
実はインプラント治療には、認知症の予防効果があるとされています。これはインプラント治療による噛む力の回復が原因です。
しっかり噛むことで脳の血流が促進され、萎縮を防ぎ、認知症の予防につながるとされています。
認知症を予防するには、インプラントかどうかに限らず、歯の喪失を防ぐことが重要です。
歯を喪失し、入れ歯を入れずにそのまま放置している人は、20本以上歯が残っている人と比べて認知症の発症リスクが約2倍高くなると報告されています。(中略)歯を失っても、歯(入れ歯)・ブリッジ・インプラントの治療を受けることで、認知症のリスクを減らすことができます。
入れ歯でもブリッジでも、認知症の予防効果はあります。そんな中でも、最も噛む力の向上につながる治療法はインプラントです。
一番良くないのは「歯がボロボロ」を放置することです。
関連記事:歯がボロボロすぎて歯医者に行けない人必見!5つの原因と放置の危険性を解説
インプラントをしている人の割合は50/60/70代に多い
厚生労働省の調査によると、2022年時点での日本のインプラント普及率は約3.2%です。
インプラント装着者の割合を年齢別にまとめると、以下のとおりです。
年齢 |
インプラント装着者の割合 |
20代 |
2.6% |
30代 |
1.3% |
40代 |
0.7% |
50代 |
6.1% |
60代 |
8.1% |
70代 |
9.8% |
80代以上 |
7.8% |
出典:厚生労働省 令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要 16ページ
被調査者数が2,097人と少ないので、20〜40代では正確なデータが取れていないと考えられます。
しかし50代を超えてから、インプラント装着者の割合が急増していることが分かります。
年齢を重ねるごとに、歯の喪失本数が増えるのも、50代以降のインプラント装着者割合が多い1つの理由でしょう。
上図のグラフを見てみると、50代以降から歯の本数が急激に減っていると分かります。
そのため50代以降のインプラント治療は、決して珍しいことではありません。
関連記事:50代で歯がボロボロ・入れ歯の人の割合は?放置すると恥ずかしいのか、具体的な治療法を紹介
関連記事:60代で歯がボロボロの人の割合は?抜ける原因や歯の治療法を紹介
お金がなくてインプラント治療に踏み出せない方におすすめの選択肢
「お金がない」といった理由からインプラント治療に踏み出せない方には、以下2つの選択肢がおすすめです。
- デンタルローン
- ブリッジや部分入れ歯との併用
デンタルローンを使えば、金利年2.5〜8.8%の低金利でローンを組めます。キャッシングやカードローンよりもお得です。
また一部分のみをインプラントにして他の歯をブリッジや部分入れ歯にすることで、治療費を抑えられます。
▼当院における前歯4本の治療事例(インプラント2本・ブリッジ2本、治療期間6ヶ月、治療費132万円)
関連記事:歯がボロボロな方の治療法は4つ!内容や治療費、お金がない場合の対処法を紹介
インプラント治療ならトラストデンタルクリニックにお任せ
トラストデンタルクリニックは、東京都港区浜松町の歯科医院です。インプラント治療に関するさまざまな選択肢を用意しています。
例えば当院では、ソケットリフト、サイナスリフト、GBR(再生療法)などの骨造成術を併用することで、骨が少なくてもインプラントの埋入が可能です。
当院の強みは、サージカルガイドを使用した、メスを使わない低侵襲インプラント治療です。
低侵襲インプラント治療によって術後の痛み・腫れは軽減されます。手術時間も短縮され、20分で終わるケースも珍しくありません。
当院では、急に治療を始めることはありません。治療方法・治療期間・治療費・治療の痛みなどについて説明をして、ご納得いただいた上で治療を行います。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。
まとめ
インプラントにした人の老後が悲惨と言われる5つの理由や、インプラントにした人の老後のメリットなどについて解説しました。
インプラント治療後の悲惨な老後を避けるには、結局のところ、日々のメンテナンスが大切です。
「インプラントにしたから」とメンテナンスを怠ると、良くない状態で老後へと突入してしまうかもしれません。
そしてインプラントには、着脱の楽さやコンプレックスからの解放など、さまざまなメリットがあります。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。