インプラントとセラミックの違い5つ!値段やどちらが向いているかを解説
インプラントとセラミックの主な違いは、以下のとおりです。
インプラント |
セラミック |
|
治療法か素材かの違い |
治療法 |
素材 |
値段の違い |
40〜70万円/本 |
詰め物:5〜12万円 被せ物:8〜18万円 |
歯根の有無の違い |
歯根を失った人向け |
歯根が残っている人向け |
治療期間の違い |
3〜12ヶ月 |
1〜2ヶ月 |
手術の有無の違い |
必要 |
不要 |
今回はインプラントとセラミックの違い5つや共通点2つ、どちらが向いているかなどについてまとめました。
結論、インプラントとセラミックのどちらにすべきかは、虫歯の進行度合いによって決まります。
虫歯が歯根まで進行している場合、セラミックは選択できません。一方、虫歯が象牙質や神経までしか進行していない場合、あえてインプラントを選ぶ必要はありません。
インプラント治療を得意とする歯科医の目線から、本音で解説します。
記事を最後までチェックすれば、自身に適した治療法が明確になります。
インプラントとセラミックの違い5つ
インプラントとセラミックの違いについて、以下5つの観点から解説します。
- 治療法か素材かの違い
- 値段の違い
- 歯根の有無の違い
- 治療期間の違い
- 手術の有無の違い
それぞれ詳しく見てみましょう。
治療法か素材かの違い
インプラント |
セラミック |
治療法 |
素材 |
インプラントは、失った歯を補うための治療法です。具体的には、顎骨に穴を開けて人工歯根を埋入し、その上に人工歯を装着します。
一方セラミックは、人工歯に使用される素材の一種です。
インプラントは治療法、セラミックは素材なので、そもそも両者は異なります。例えばインプラント治療では、人工歯としてセラミックを用いるのが一般的です。
しかし、世間一般では「綺麗で白い詰め物や被せ物の治療」といったニュアンスでセラミックという言葉が使われています。芸能人の真っ白で綺麗な歯のようなイメージです。
そのため本記事でも、インプラント治療とセラミックを用いた詰め物や被せ物の治療を比較します。
なお「白い詰め物や被せ物」にはセラミック以外にもレジンという選択肢があります。両者の違いは以下のとおりです。
セラミック |
レジン |
|
値段 |
保険適用外なので高い |
保険適用なので安い |
耐久性 |
高い |
低い(固いものを食べると欠けて虫歯が再発したりする) |
審美性 |
高い |
低い(時間が経つと変色しやすい) |
値段の違い
インプラント |
セラミック |
40〜70万円/本 |
詰め物:5〜12万円 被せ物:8〜18万円 |
インプラントもセラミックも、保険適用外の自由診療が原則です。そのため保険適用の治療(銀歯など)と比べると費用がかかります。
インプラントでは、外科手術が必要です。治療には人工歯根・アバットメント(土台)・人工歯を使用します。
そのため治療費は、入れ歯やブリッジなどの選択肢と比較しても高額です。
インプラント治療には、セラミックを使用します。よって当然、セラミックよりもインプラントの方が治療費は高くなります。
またインプラント治療では、治療法や使用する素材を選択できたり、麻酔も追加できたります。そのため、一言でインプラント治療と言っても、値段は条件によって変わります。
関連記事:インプラントが保険適用になったのはいつから?条件が厳しすぎるって本当?将来についても解説
関連記事:歯がボロボロだと治療費はいくらに?お金がない場合の対処法も紹介
歯根の有無の違い
インプラント |
セラミック |
歯根を失った人向け |
歯根が残っている人向け |
歯根は、家屋における基礎のようなイメージです。
基礎が残っていれば、壊れた家を補強できます。基礎がなければ、その上に何かを建てることはできません。
インプラントは、歯根を失った人のための治療法です。顎骨に穴を開けて、人工歯根を埋入し、その上に人工歯を装着します。
なお歯根を失った人向けの治療法は、インプラント以外にも入れ歯やブリッジがありますが、人工歯根を埋入する治療法はインプラントだけです。
入れ歯は着脱式です。ブリッジは両隣の歯を支えとします。
続いてセラミックは、歯根が残っている人向けの治療法です。歯がどのくらい残っているかによって、詰め物か被せ物かが変わります。
初期から中程度の虫歯まではセラミックの詰め物・被せ物で治療可能ですが、虫歯が歯根まで達するとインプラント・入れ歯・ブリッジしか選択できなくなります。
関連記事:インプラントとブリッジはどっちがいい?費用の違いや併用の選択肢について解説
治療期間の違い
インプラント |
セラミック |
3〜12ヶ月 |
1〜2ヶ月 |
インプラント治療の流れは以下のとおりです。
①治療計画と精密検査(2日〜2週間)
②虫歯などの事前治療(治療期間は人それぞれ)
③人工歯根埋入(1日)
④人工歯根の定着期間(3〜6ヶ月)
⑤人工歯の装着(1日)
インプラントには、抜歯即時埋入と抜歯待時埋入の2つの治療法があります。
両者の違いは、抜歯から人工歯根埋入までの期間です。抜歯即時埋入では抜歯と人工歯根の埋入を同日に行います。
抜歯待時埋入では、抜歯後に歯茎や骨の回復を1〜6ヶ月間待ってから、人工歯根の埋入を行います(つまり上記③の治療期間が1〜6ヶ月になります)。
治療法による治療期間の違いは、以下のとおりです。
- 抜歯即時埋入:3〜6ヶ月
- 抜歯待時埋入:4〜12ヶ月
一方セラミックの治療では、抜歯や人工歯根の埋入が必要ありません。そのため傷の治りを待つ必要がなく、治療期間は1〜2ヶ月と短くなっています。
関連記事:インプラントの平均治療期間は7.5ヶ月!最短で3ヶ月!歯がない期間や食事について解説
手術の有無の違い
インプラント |
セラミック |
必要 |
不要 |
インプラント治療では、抜歯時と人工歯根埋入時の合計2回、外科手術が必要です。
抜歯即時埋入の場合は、抜歯と人工歯根埋入を同日に行うため、手術回数は1回で済みます。
一方セラミック治療に手術はありません。虫歯の箇所を削って、削った箇所に詰め物や被せ物をします。
なおインプラントでもセラミックでも、治療中は局所麻酔を使用します。そのため痛みに関する心配は不要です。
触れられていることすら分からないような状態で、治療を受けます。
またインプラント治療の外科手術が不安な方には、静脈内鎮静法の選択肢もおすすめです。
全身麻酔ではありませんが、点滴で鎮静剤や麻酔薬を投与して、眠っているような感覚のなかで手術を受けられます。
関連記事:インプラントは痛いですか?術中・術後・数年後に分けて歯科医が忖度なしで解説
関連記事:インプラントの麻酔方法・種類は2つ!静脈内鎮静法・局所麻酔の特徴や費用を紹介
インプラントとセラミックの共通点
ここまでインプラントとセラミックの違いについて解説をしましたが、両者には以下の共通点もあります。
- 審美性
- 耐久性
インプラントもセラミックも、保険適用外の治療です。保険適用の治療と比べて審美性や耐久性に優れています。
審美性
インプラントとセラミックは、どちらも他の治療法と比べて審美性に優れています。
人工歯や詰め物、被せ物に使われる素材は、セラミックだけではありません。銀歯や金歯、保険適用の白い素材「レジン」など、複数の選択肢が存在します。
セラミックは、これらのなかで最も天然歯に近い透明感を持つ素材です。
保険適用で銀歯を装着した場合、対面で会話をする際に「あ、今口の中の銀歯に目線が行ったな」と気になってしまいますが、セラミックは天然歯に近いため気になりづらいです。
そして、インプラントで使用する人工歯の素材もセラミックです。
さらにインプラント治療では、顎骨に人工歯根を直接埋め込むため、歯が歯茎から自然に生えているように見えます。
インプラントもセラミックも「見た目の美しさ」を重視する方におすすめの治療法です。
耐久性
インプラントとセラミックは、どちらも他の治療法と比べて、耐久性に優れています。
セラミックを装着すれば、固いものを食べても欠ける心配がありません。入れ歯のように粘り気のあるものを避ける必要もありません。
特に、同じく「白い詰め物・被せ物」であるレジンとセラミックの耐久性の差は歴然です。
レジンは、おせんべいなど固いものを食べた際に、比較的簡単に欠けてしまいます。欠けた後に面倒だからと歯医者に行かないと、二次虫歯のリスクがあります。
インプラントは顎骨に人工歯根を埋入する治療法です。顎骨と人工歯根が結合するため、ブリッジや入れ歯と比べて強度があり、しっかりと噛めます。
インプラントもセラミックも、何も気にせずに食事を楽しみたい方におすすめの治療法です。
インプラント治療のメリット・デメリット
インプラント治療のメリット・デメリットをまとめると以下のとおりです。
メリット |
デメリット |
見た目が自然で審美性が高い |
費用が高額(1本40〜70万円) |
耐久性が高く天然歯に近い噛み心地 |
治療期間が長い(3〜12ヶ月) |
周囲の歯に負担をかけない |
手術が必要 |
顎骨が痩せるのを防げる |
保険適用外 |
長持ちする |
インプラント周囲炎や細菌感染などのリスク |
歯が抜けると顎骨への刺激が減って徐々に痩せていきます。入れ歯をする高齢者の口周りがしわしわになっているのもそのためです。
インプラントでは顎骨に人工歯根を埋め込むため、骨が痩せるのを防げます。
関連記事:【歯科医が教える】インプラントのリスク6つ!副作用についても解説
セラミック治療のメリット・デメリット
セラミック治療のメリット・デメリットをまとめると以下のとおりです。
メリット |
デメリット |
見た目が自然で審美性が高い |
費用が高額(1本5〜18万円) |
耐久性が高く摩耗しにくい |
歯を削る量が多い |
変色しにくい |
保険適用外 |
金属を使用しない |
割れるリスクがゼロではない |
二次虫歯のリスクが低い |
種類によって審美性や耐久性が異なる |
セラミックに強度を持たせるためには、銀歯の約1.5倍の厚みが必要です。その分セラミックでは、保険適用の銀歯と比べてより多くの歯を削らなければなりません。
虫歯の進行度合いに応じてインプラントかセラミックかを選ぼう
虫歯の進行度合いによって、選択できる治療法は異なります。
費用よりも審美性や耐久性を重視する方で、虫歯が軽度〜中度の場合は、セラミックがおすすめです。審美性や耐久性を重視しないのであれば、銀歯やレジンといった選択肢もあります。
虫歯が重度で歯根まで達している場合や、すでに歯を失っている場合は、インプラントがおすすめです。審美性や耐久性を重視しない場合には、保険適用の入れ歯やブリッジといった選択肢もあります。
インプラントやセラミックの治療はトラストデンタルクリニックにおまかせください
トラストデンタルクリニックは、東京都港区浜松町の歯科医院です。当院では、インプラント治療やセラミック治療に関するさまざまな選択肢を用意しています。
当院では、急に治療を始めることはありません。治療方法・治療期間・治療費・治療の痛みなどについて説明をして、ご納得いただいた上で治療を行います。
▼当院における前歯4本の治療事例(インプラント2本・ブリッジ2本、治療期間6ヶ月、治療費132万円)
Before
After
首都圏でインプラント治療やセラミック治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。
>>当院のインプラント治療について詳しく見てみる
>>当院のセラミック治療について詳しく見てみる
まとめ
インプラントとセラミックの違い5つや共通点2つ、どちらが向いているかなどについて解説しました。
両者の違いは以下のとおりです。
インプラント |
セラミック |
|
治療法か素材かの違い |
治療法 |
素材 |
値段の違い |
40〜70万円/本 |
詰め物:5〜12万円 被せ物:8〜18万円 |
歯根の有無の違い |
歯根を失った人向け |
歯根が残っている人向け |
治療期間の違い |
3〜12ヶ月 |
1〜2ヶ月 |
手術の有無の違い |
必要 |
不要 |
虫歯の状況によって、受けるべき治療は異なります。まずは歯医者に行って「どの程度の虫歯が何本あるのか」を確認しましょう。
そうすることで、自身に必要な治療法が見えてきます。
首都圏でインプラント治療やセラミック治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。