インプラントの抜歯即時埋入とは?メリット・デメリットや費用について解説
インプラントの抜歯即時埋入(ばっしそくじまいにゅう)とは、歯を抜いたその日にインプラント体(人工歯根)を顎骨に埋め込む治療法です。
手術は1回で済み(通常は2回)、治療期間が短縮されます。仮歯は、最短で手術当日に装着可能です。
「自由診療で高額だからしっかり下調べをしておきたい」「治療中に歯がない期間ってあるの?だとしたら恥ずかしいな」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
今回はインプラント治療における抜歯即時埋入のメリット・デメリット、かかる費用についてまとめました。
抜歯即時埋入を得意とする歯科医の目線から、本音で解説をします。
記事を最後までチェックすれば、抜歯即時埋入がどのような治療法なのか、ひと通り理解できます。
インプラントの抜歯即時埋入とは?
インプラントの抜歯即時埋入とは、歯を抜いたその日にインプラント体(人工歯根)を顎骨に埋め込む治療法です。
「“抜歯”したあと“即時”にインプラント体を“埋入”する」ので抜歯即時埋入と言います。
抜歯即時埋入と言っても、1日で治療が完了するわけではありません。
インプラント手術後は、人工歯ではなく仮歯を付けます。人工歯を付けるのは、3〜6ヶ月経ってインプラント体と骨が結合してからです。
インプラント治療には、抜歯即時埋入に加えて抜歯待時埋入(ばっしたいじまいにゅう)という選択肢もあります。
抜歯待時埋入は、抜歯後に歯茎や骨が回復するのを1〜6ヶ月ほど待ってからインプラント体を埋入する治療法です。
抜歯待時埋入では抜歯時と埋入時の2回、手術が必要です。また仮歯を入れるまでの期間(歯がない期間)が抜歯即時埋入と比べて長くなる傾向にあります。
インプラントで抜歯即時埋入をするメリット
インプラントで抜歯即時埋入をするメリットは、以下の3つです。
- 短期間で治療が完了する
- 身体への負担が軽減される
- 骨や歯茎の吸収を防げる
それぞれ詳しく解説します。
短期間で治療が完了する
抜歯即時埋入では、抜歯当日にインプラント体を埋入するとお伝えしました。一方、抜歯待時埋入では抜歯から1〜6ヶ月経って、インプラント体を埋入します。
そのため抜歯即時埋入の方が、短期間で治療が完了します。具体的な治療期間の目安は以下のとおりです。
- 抜歯即時埋入:3〜6ヶ月
- 抜歯待時埋入:4〜12ヶ月
抜歯から埋入までの待期期間分(1〜6ヶ月)、治療期間が短縮されます。
「治療が怖いから」「早く美しい歯を手に入れたいから」「忙しいから」といった理由で治療を早く済ませたい方には、抜歯即時埋入がおすすめです。
抜歯即時埋入では、仮歯の早期装着も可能なため、見た目や噛む機能の回復を早めることもできます。
身体への負担が軽減される
抜歯即時埋入では、手術が1回で済むとお伝えしました。
抜歯と埋入を一度に行うため、その都度伴う痛みや腫れ、麻酔の負担を最小限に抑えられます。精神的な負担も軽減されるでしょう。
抜歯待時埋入では2回の手術が必要です。抜歯後に期間が空くので、インプラント体を埋入するためには、歯肉を切開しなければなりません。
治療中は当然麻酔を使用するので、抜歯即時埋入でも抜歯待時埋入でも、痛みに関する心配は不要です。
麻酔について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:インプラントの麻酔方法・種類は2つ!静脈内鎮静法・局所麻酔の特徴や費用を紹介
※当院では、歯茎を切らずに小さな穴を開けて人工歯根を埋入する「低侵襲インプラント治療」を行っています。
骨や歯茎の吸収を防げる
抜歯待時埋入では、抜歯からインプラント体の埋入までに、数ヶ月の期間が空くとお伝えしました。つまり歯がない状態で過ごす期間が長くなります。
歯がない状態が続くと、歯を支えていた顎の骨が少しずつ吸収されていきます。食事による骨への刺激がなくなるからです。
歯がない高齢者の口周りがしわしわになりやすいのも、そのためです。
インプラントは、顎骨に人工歯根を埋め込む治療法であるとお伝えしました。つまり骨が足りなくなると、治療はできません。
あるいは骨造成手術を行うことになります。
また骨だけでなく、歯茎も痩せていきます。歯茎が痩せることによるデメリットやリスクは以下のとおりです。
- 虫歯
- 知覚過敏
- 歯周病
- 歯が長く見える
一方、抜歯即時埋入では抜歯後すぐにインプラント体を埋入するので、骨が吸収されたり歯茎が痩せたりするリスクはありません。
インプラントで抜歯即時埋入をするデメリット(リスク)
インプラントで抜歯即時埋入をするデメリット、リスクは以下の3つです。
- 細菌感染のリスクがやや高まる
- 誰もが選択できる治療法ではない
- すべての歯医者で選択できる治療法ではない
1つずつ詳しく見てみましょう。
細菌感染のリスクがやや高まる
抜歯即時埋入では、抜歯直後の傷口にインプラント体を埋入します。そのため抜歯待時埋入と比べると細菌感染のリスクがやや高まります。
歯医者としても、抜歯待時埋入よりも厳密な感染対策が必要です。必要に応じて、抗生物質が処方されることもあります。
細菌感染が起きると、痛みや腫れが続いたり、最悪の場合治療のやり直しが必要になったりします。
歯科医から細菌感染のリスクが高いと判断された場合には、抜歯即時埋入よりも抜歯待時埋入の方がおすすめです。
例えば歯周病患者は、細菌感染のリスクが高いとされています。これは歯周病が、歯垢に含まれる細菌によって引き起こされる病気だからです。
誰もが選択できる治療法ではない
抜歯即時埋入は治療期間や身体への負担の少なさといった観点から、メリットが大きい選択肢です。
しかし、希望すれば誰でも選択できる治療法ではありません。
抜歯即時埋入でインプラント治療を行うには、顎骨の幅や厚さ、健康状態などの条件を満たしていなければなりません。
例えば歯周病が進行して骨が溶けている場合、抜歯即時埋入でのインプラント治療は難しいでしょう。
糖尿病や心疾患を抱えている場合も、治癒や免疫機能に影響を及ぼすので、治療は慎重に判断しなければなりません。
他にも、歯ぎしりや噛み合わせが原因で治療ができない場合もあります。
自力で「抜歯即時埋入ができるのか」を判断することはできません。歯医者でCT撮影をするなどして確認しましょう。
関連記事:糖尿病だと歯がボロボロになるって本当?5つの原因よくある誤解を解説
すべての歯医者で選択できる治療法ではない
まず、インプラント治療を行っている歯医者と行っていない歯医者があります。
そしてインプラント治療では、抜歯待時埋入が一般的です。
そのためインプラント治療を行っている歯医者でも、抜歯即時埋入は行っていないところがあります。
さらに抜歯即時埋入は細菌感染のリスクもあり、高度なスキルや専門知識が求められます。そのため抜歯即時埋入を行っている歯医者探しに苦労するかもしれません。
首都圏で抜歯即時埋入を希望される方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。
抜歯即時埋入に限らず、インプラントのリスクについて幅広く知っておきたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:【歯科医が教える】インプラントのリスク6つ!副作用についても解説
抜歯即時埋入と抜歯待時埋入でインプラントの治療費用に違いはある?
インプラント治療は保険適用外の自由診療です。治療費の相場は、1本あたり400,000〜700,000円です。
抜歯即時埋入では、手術が1回で済みます。そのため抜歯待時埋入と比べて治療法が抑えられる傾向にあります。
しかし骨造成手術を行う場合、追加で費用が必要です。
「費用が高くてインプラント治療に踏み切れない」という方もいらっしゃるでしょう。
そういった方には、デンタルローンの選択肢がおすすめです。金利年2.5〜8.8%と、キャッシングやカードローンと比べてもお得です。
他にも、インプラントとブリッジの併用という選択肢があります。
例えば前歯3本を治療する場合、両端2本をインプラントにして、真ん中をブリッジにすることで、治療費と顎骨への負担を抑えられます。
▼当院における前歯4本の治療事例(インプラント2本・ブリッジ2本、治療期間6ヶ月、治療費132万円)
Before
After
関連記事:歯がボロボロだと治療費はいくらに?お金がない場合の対処法も紹介
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インプラントの抜歯即時埋入ならトラストデンタルクリニックにお任せください
トラストデンタルクリニックは、東京都港区浜松町の歯科医院です。
抜歯即時埋入でのインプラント治療を得意としています。
当院の強みは、サージカルガイドを使用した、メスを使わない低侵襲インプラント治療です。
低侵襲インプラント治療によって術後の痛み・腫れは軽減されます。手術時間も短縮され、20分で終わるケースも珍しくありません。
当院では、急に治療を始めることはありません。治療方法・治療期間・治療費・治療の痛みなどについて説明をして、ご納得いただいた上で治療を行います。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。
まとめ
インプラント治療における抜歯即時埋入のメリット・デメリット、かかる費用について解説しました。
抜歯即時埋入は、治療期間を短縮したい方や身体的負担を軽減したい方におすすめです。
まずは抜歯即時埋入でインプラント治療が受けられるかどうかを歯医者で検査してみましょう。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。